りょう)” の例文
りょう六朝りくちょう)の大同だいどうの末年、平南将軍藺欽りんきんをつかわして南方を征討せしめた。その軍は桂林けいりんに至って、李師古りしこ陳徹ちんてつを撃破した。
りょうは、この妻の父さい大臣のお蔭で立身した者であるから、平常も夫人にはとんと頭が上がらない。唯々いいとして、立って喚鐘かんしょうを打ち鳴らした。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
りょうの武帝の大同の末年、欧陽紇おうようこつという武人が、南方に出征して長楽という処に至り、その地方の匪乱ひらんか何かを平定して、山間嶮岨さんかんけんその地へ入った。
美女を盗む鬼神 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
虎の異名多くある中にしんりょう以後の書にしばしば大虫と呼んだ事が見える。大きな動物すなわち大親分と尊称した語らしい。
内典を知るも、りょうの武帝の如く淫溺いんできせず、又老子ろうしを愛し、恬静てんせいを喜び、みずから道徳経註どうとくけいちゅう二巻をせんし、解縉かいしんをして、上疏じょうその中に、学の純ならざるをそしらしむるに至りたるも
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
伝え聞く、摩耶山忉利天王寺とうりてんのうじ夫人堂の御像おんすがたは、そのいにしえりょうの武帝、女人の産に悩む者あるをあわれみ、仏母ぶつも摩耶夫人まやぶにんの影像を造りて大功徳をしゅしけるを、空海上人入唐の時、我が朝にかしずき帰りしものとよ。
一景話題 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
黄泥岡こうでいこうから、夜昼なしに、都へ舞い戻ったりょう家の執事のしゃは、下手人は、楊志とれ合いで、道に待ち伏せしていた七人の匪賊ひぞくであると、主君の前に讒訴ざんそした。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
河南のいんを勤めている張全義ちょうぜんぎという人に尊敬されていましたが、あるとき張全義がりょう太祖たいそと一緒に食事をしている際に、太祖は魚のなますが食いたいと言い出しました。
其の分封太侈たいしを論ずるにいわく、都城百雉ひゃくちを過ぐるは国の害なりとは、でんの文にも見えたるを、国家今やしんしんえんせいりょうびんの諸国、各そのを尽してこれを封じたまい、諸王の都城宮室の制、広狭大小
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
りょうの時、せい州の商人が海上で暴風に出逢って、どことも知れない国へ漂着しました。遠方からみると、それは普通の嶋などではなく、山や川や城もあるらしいのです。
と、りょうはいささか昂奮して、唇を乾かし、眼に赤い濁りを見せて、説得にこれ努めた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蕭繹しょうえきりょう孝元こうげん皇帝なり。今梁書りょうしょあんずるに、此事を載せず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)