“柏手”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かしわで92.0%
かしはで8.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
飯綱権現いいづなごんげんの社前へ一気に上って来ると、社の前に例の箱入りの名刀を供えて、二人ともかしこまって柏手かしわでを打ち、うやうやしく敬礼しました。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
蛭子えびす神社の大鳥居の前で、瞑目めいもくして、勿体もったいらしく、柏手かしわでをポンポン打っていた胡蝶屋豆八は、うしろから、軽く背中をたたかれた。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
みな白錦しろにしき御旗みはたでございます。つるぎやうなものもいくらもまゐりました。うち御車みくるま曳出ひきだしてまゐりまするを見ますると、みな京都きやうとの人は柏手かしはでを打ちながら涙をこぼしてりました。
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
お糸さんは油揚あぶらあげを買つてお穴様へ供へた。そして御鈴みすずを何遍もふつた。かすか柏手かしはでもうつた。長いこと礼拝をした。やがて暗い穴の中へ杓子を入れて砂を三杯ほど紙袋につめた。
二黒の巳 (新字旧仮名) / 平出修(著)