本能的ほんのうてき)” の例文
は、とりをいちばんおそれていたのです。それは、代々だいだいからの神経しんけいつたわっている本能的ほんのうてきのおそれのようにもおもわれました。
明るき世界へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「親子相愛そうあい生活の姿は可愛いな」と賞めるかたわら、その本能的ほんのうてきかつ盲目的なることにおいて、我々はあまり鳥後に落ちないと自嘲じちょうしたくなる。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
「死」が乗っているような気さえする。わしは今本能的ほんのうてきに助け手を求める。忠実な友がそばにいてくれることが、今のわしには絶対的に必要だ。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
一どたおれた蛾次郎がじろう本能的ほんのうてきにはねかえって、起きるが早いか、そばの大樹たいじゅへ、無我夢中むがむちゅうによじのぼった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此地震このぢしん初期微動繼續時間しよきびどうけいぞくじかん七八秒程しちはちびようほどあつたようにおもはれる。各先生かくせんせいとも地震ぢしん感得かんとくせられるやいなや、本能的ほんのうてきそとされたが、はつといてみると老母ろうぼ屋内おくないのこされてあつた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
これをきくと、ちょうは、本能的ほんのうてきに、くもをおそれ、人間にんげんをおそれたことが、まちがいでなかったのをさとりました。
冬のちょう (新字新仮名) / 小川未明(著)
とばかりそのくちばしが、本能的ほんのうてきに空の木太刀きだちをくわえ取った。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
梅雪は本能的ほんのうてきにさけんだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)