“木理”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もくめ75.0%
きめ9.4%
きのめ3.1%
はだ3.1%
ぼくり3.1%
もく3.1%
もくり3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もうだいぶ長く雨風にさらされて白くされ古びとげとげしく木理もくめを現わしているのであるが、その柱の一面に年月日と名字とが刻してある。
小浅間 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
一位と呼ぶ赤みがかった木理きめの美しい木を材料とするもので、今まではこれでよくしゃくが作られました。編笠は今も盛に作られます。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
浮きたる方こそ樹末こずえなれ、根の方は木理きのめつみて自然おのずと重ければ下に沈むなりと答へけるに、天神はまた同じやうなる牝馬めうま二匹をゆびさして、那箇いずれが母か那箇が子か、と詰り問ひぬ。
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
唐獅子からじし青磁せいじる、口ばかりなる香炉こうろを、どっかとえた尺余の卓は、木理はだ光沢つやあるあぶらを吹いて、茶を紫に、紫を黒に渡る、胡麻ごまこまやかな紫檀したんである。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ちょっと弁吉の悪戯いたずらだというのである。三聖酢をなむる図を浮彫にした如意にょいがある。見ると、ひげも、眉も浮出ているが手を触ると、何にもない、木理ぼくり滑かなること白膏はっこうのごとし。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
床の間は山桑のふち、ヤチダモの板、イタヤ木理もくの落し掛け、センの天井。書院はクルミの机、カツラ木理の天井、オンコの欄間、トチの腰板、ヤシの脇壁板。
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
すなわち成長が悪くて木理もくりが伸びず、節立って加工の困難な部分だから嫌われ、ひいては物のよくないのを皆アテといい、醜婦までをアテという隠語さえできているが
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)