かれ)” の例文
その時、其津の水沼於而ミヌマイデ(?)テ、御身沐浴ソヽしき。かれ、国造の神吉事カムヨゴトまおして朝廷みかど参向まいむかふ時、其水沼出而イデヽ用ゐ初むるなり。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
かれ、太素は杳冥えうめいたれども、本つ教に因りてくにはらみ島を産みたまひし時をり、元始は綿邈めんばくたれども、先の聖にりて神を生み人を立てたまひし世をあきらかにす。
かれ藝術の上に個物の實の模造を立てずして個想を立て、物力の實の模作を立てずして小天地想を立つ。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
いましはた我に先だちて行かむ、はた我や汝に先だちて行かむ、こたえて曰く吾先だちてみちひらき行かむ云々、因りて曰く我を発顕あらわしつるは汝なり、かれ汝我を送りて到りませ、と〉とて
「我が身は成り成りて、成り餘れるところ一處あり。かれこの吾が身の成り餘れる處を、汝が身の成り合はぬ處に刺しふたぎて、國土くに生み成さむと思ほすはいかに」
かれわが當時の言にいはく。沒理想は沒理想にあらずして沒揷評なることあるを見たりと。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
かれここに帝紀を撰録し、舊辭くじ討覈たうかくして、僞を削り實を定め、後葉のちのよつたへむとおも
かれわれは烏有先生をして答へしめていはく。然り。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)