手配てはい)” の例文
愚図ぐず愚図してるんだ! おれがこうして、さり気なく話のばつを合わして足停あしどめしておくあいだに、すっかりこの家の廻りにも手配てはい
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
名案めいあんですな。ハルステッド刑務所けいむしょ看守かんしゅたちが知ってる男に、警察犬けいさつけんっておる男がいるそうですから、さっそく手配てはいしましょう」
「あれあれ、蔦之助さま、忍剣さま! うえの手うすに乗じて、和田呂宋兵衛わだるそんべえが逃げのぼりましたぞ、はやくお手配てはいなされませ!」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
配下はいかのほとんど全員ぜんいん手配てはいめいじておいて、はじめはしかし、島本守しまもとまもるには見張みはりだけをつけ、事件現場じけんげんば金魚鉢きんぎょばち調しらべた。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
手配てはいはちやんとしてあるよ。周太郎が品川にもう一つ足場を拵へて居ることを、二三人の下つ引を使つて、前から調べてある。今頃は蝠女と三千兩を
いっこう知れません、いろいろ手配てはいをして探してみましたけれども、どうしてもわかりません。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「あれあれ、呂宋兵衛るそんべえ幻術げんじゅつけた曲者くせもの、どう逃げようもしれませぬ、みなさま、はやくお手配てはいをしてくださりませ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
脇坂様のお屋敷へけ込んだりするものだから、殿様もすっかりに受けて、さっそく八丁堀へお手配てはいなすって、多分の御人数を繰り出してみると、あれアお前さん、他人の空似そらに
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
透明人間とうめいにんげん危害きがいから町の人を守るには、怪物かいぶつとらえることである。そのための警察けいさつ手配てはい着々ちゃくちゃくとすすみ、おもったよりはやく、町のこれぞと思うところに、警官が動員どういんされていた。
「ぜひがない。このうえは殿とのにありのままをおつげして、少しも早く、ほかへ手配てはいをつけるのがかんじんだ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)