“戞”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かつ52.9%
17.6%
かっ17.6%
5.9%
から5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
つなぎ合せて肩をおおえる鋼鉄はがねの延板の、もっとも外に向えるが二つに折れて肉に入る。吾がうちし太刀先は巨人の盾をななめってかつと鳴るのみ。……
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その代り検事と課長は練習場で、ボールッ飛ばしに出ていった。ジュリアと千鳥とは、その間にクラブハウスの奥にある噴泉浴ふんせんよくへ出かけた。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
かすかに首をもたげるのもやっとだし、手の刀も、かっと、自在の竹をかすめたに過ぎないが——その意志たるや、いまにも絶えなんとする気息とは反対に、恐ろしい断末の懸命なるものが
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その声銅盤をつがごとし、口旁に鬚髯あり、頷下に明珠あり、喉下に逆鱗あり、頭上に博山あり、尺水と名づく、尺水なければ天に昇る能わず、気を呵して雲を成す、既に能く水と変ず
こんなことを云っているうちに、噂のぬし帯剣たいけんからめかしながら入って来た。近所の人であるから、忠一ともかね相識あいしっているのである。双方の挨拶はかたの如くに終った。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)