すべ)” の例文
下記は大正四年八月の旧稿を改竄補修をしたもので、全く新たに書直し、あるいは書足した箇処もあるが、大体はすべて旧稿にる。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
すべて供𢌞りの徒士かちの者共風俗がさつに候、中間共も異風に取拵とりこしらへ候者共多相見えわけてがさつに有之候。
凡愚姐御考 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
その頃の——恐らくは今でも——すべての人の親は、家に資産があると否とを問わず一家の運命希望を我が子の立身出世につないでるから
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
闘鶏、闘犬、闘牛の類をすべて野蛮だといつて悪くいふ者もあるが、人間様に角觝すまふがある間は這般な事を云はれまいと思ふよ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
が、緑雨のスッキリした骨と皮の身体からだつき、ギロリとした眼つき、絶間たえまない唇辺くちもとの薄笑い、すべてが警句に調和していた。
斎藤緑雨 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
し又すべての文学者ぶんがくしや一時いちじ殺戮さつりくすれば其死屍しゝは以て日本海につぽんかいうづむべく其は以て太平洋たいへいよう変色へんしよくせしむべし。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
若しすべての文学者ぶんがくしやかつ兵役へいえき従事じゆうじせしめば常備軍じやうびぐんにはか三倍さんばいして強兵きやうへいじつたちまがるべく、すべての文学者ぶんがくしや支払しはら原稿料げんかうれうつもれば一万とん甲鉄艦かふてつかん何艘なんざうかをつくるにあたるべく
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
すべての文学者ぶんがくしや消費せうひする筆墨料ひつぼくれう徴収ちようしうすれば慈善じぜん病院びやうゐん三ツ四ツをつくる事けつしてかたきにあらず、すべての文学者ぶんがくしや喰潰くひつぶこめにく蓄積ちくせきすれば百度ひやくたび饑饉ききんきたるともさらおそるゝにらざるべく
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)