はぢ)” の例文
旧字:
二三分ののちとなりひとの迷惑さうなかほに気がいて、又もとの通りに硝子窓がらすまどげた。硝子がらす表側おもてがはには、はぢけたあめたまたまつて、往来が多少ゆがんで見えた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
と太郎がはにかむと、お葉はひどく気色ばんではぢき返した。「そんなことを云つてゐる時ぢやないよ。」
サクラの花びら (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
しんしんと湧きあがる力新らしきキヤベツをうちからはぢき飛ばすも
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
其時蟻はもう死んでゐた。代助は人指指ひとさしゆびさきいた黒いものを、親指おやゆびつめむかふはぢいた。さうしてがつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
尿いばりすれば金の光のひとすぢがさんさんと落ちてはぢきかへすも
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「あなたは余つ程度胸のないかたですね」と云つて、にやりと笑つた。三四郎はプラツト、フオームの上へはぢき出された様な心持がした。車のなかへ這入つたら両方の耳が一層ほてり出した。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
さ緑のキヤベツの球葉たまばいくかさね光るなかよりはぢけたりけり
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かろくかさねし手のひらのはぢく爪さき、それとなく
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
はぢき飛ばした、ぶん流せ。
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)