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山蛭
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やまひる
ふりがな文庫
“
山蛭
(
やまひる
)” の例文
出雲守頼門たった一人、薄暗い密林の中を、
山蛭
(
やまひる
)
に悩まされたり、蛇に脅かされたり、半ば夢心地で、フラフラと歩いているのでした。
奇談クラブ〔戦後版〕:09 大名の倅
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
山蛭
(
やまひる
)
やヤブ蚊の責めや、また、一種の青葉
蒸
(
む
)
れが、よろい固めの五体をやりきれなくして、仲時はつい眠りもえなかった。そして
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今
(
いま
)
も
人
(
ひと
)
の
恐
(
おそ
)
るゝ、
名代
(
なだい
)
の
天生峠
(
あまふたうげ
)
を
越
(
こ
)
して、あゝ
降
(
ふ
)
つたる
雪
(
ゆき
)
かな、と
山蛭
(
やまひる
)
を
袖
(
そで
)
で
拂
(
はら
)
つて、
美人
(
びじん
)
の
孤家
(
ひとつや
)
に
宿
(
やど
)
つた
事
(
こと
)
がある。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ビックリ仰天して逃出すと、頭の上から大鷲が蹴落しに来る。枝の間を
伝
(
つたわ
)
って逃げ
了
(
おお
)
せたと思うと、今度は
身体
(
からだ
)
中に
蝨
(
だに
)
がウジャウジャとタカリ初める。
山蛭
(
やまひる
)
が吸付きに来る。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
巨木が鬱々と繁っていて、峠の路は薄暗く、
山蛭
(
やまひる
)
などが落ちて来て、気味の悪さも一通りでなかった。と、その時唸りをなして、一本の
征矢
(
そや
)
が飛んで来たが、杉の老幹の一所へ立った。
生死卍巴
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
森の妖婆か
山蛭
(
やまひる
)
にでも執着されてゐるやうな、毒血のしたたる思ひに悩んだ。
老嫗面
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
まだ足りないで、
燈
(
あかり
)
を——燈を、と細い声して言うと、土からも
湧
(
わ
)
けば、大木の幹にも伝わる、土蜘蛛だ、朽木だ、
山蛭
(
やまひる
)
だ、
俺
(
おれ
)
が
実家
(
さと
)
は
祭礼
(
おまつり
)
の蒼い万燈、紫色の揃いの提灯、さいかち
茨
(
いばら
)
の赤い
山車
(
だし
)
だ。
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
蛭
漢検準1級
部首:⾍
12画
“山”で始まる語句
山
山家
山路
山羊
山茶花
山間
山中
山谷
山毛欅
山車