妻女さいぢよ)” の例文
しかるに御老職ごらうしよく末席ばつせきなる恩田杢殿方おんだもくどのかた一家内いつかないをさまり、妻女さいぢよていに、子息しそくかうに、奴婢ぬひともがらみなちうに、陶然たうぜんとして無事ぶじなることあたか元日ぐわんじつごとくらされさふらふ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
めし其方そのはう妻女さいぢよちかき頃安産あんざんいたせしと聞及ぶしかるに間もなく其兒そのこ相果あひはてしよし其方は男子なんしの事なれば左程さほどにも思ふまじけれども妻女さいぢよは定めてふところさびしくも思ふべしさいはひこの度出生しゆつしやうせし徳太郎はが爲には四十二の二ツ子なりよつ我手元わがてもとにて養育やういく致し難し不便ふびんには思へども捨子すてごにいたさんと思ふなりそのはう取上とりあげ妻女の乳を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)