奧齒おくば)” の例文
新字:奥歯
うちにのら/\としてれば、兩親りやうしんもとより、如何いかひといわ、とつてあにじやひと手前てまへ据膳すゑぜん突出つきだして、小楊枝こやうじ奧齒おくば加穀飯かてめしをせゝつてはられぬところから、いろツぽくむねおさへて
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
此間このあひだからなにかと奧齒おくばものはさまりて一々こゝろにかゝることおほし、ひとには取違とりちがへもあるものなにをか下心したこゝろふくんでかくしだてゞはいか、此間このあひだ小梅こうめこと、あれではいかな、れならば大間違おほまちがひのうへなし
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
宗助そうすけ此朝このあさみがくために、わざといたところけて楊枝やうじ使つかひながら、くちなかかゞみらしてたら、廣島ひろしまぎんめた二まい奧齒おくばと、いだやうらした不揃ぶそろ前齒まへばとが、にはかにさむひかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)