大峰おおみね)” の例文
八海山へは必ず二十人乃至ないし三十人の講中が繰り出し、其外一人のこともあり二、三人或は四、五人のこともあるが遠い処では出羽の三山、大和の大峰おおみねあたり
登山談義 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
わたくしどもはいったい出羽でわ羽黒山はぐろさんから出ました山伏やまぶしでございますが、このあいだ大和やまと大峰おおみねにおこもりをしまして、それからみやこへ出ようとする途中とちゅうみちまよって
大江山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
もしその上に少しばかり潤色じゅんしょくほどこし、適当に口碑や伝説を取りぜ、あの地方に特有な点景、鬼の子孫、大峰おおみね修験者しゅげんじゃ、熊野参りの巡礼じゅんれいなどを使い、王に配するに美しい女主人公
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
文覚は、まだ十九の頃に、若いもとどりを切って、大峰おおみね葛城かつらぎ粉河こかわ戸隠とがくし、羽黒、そしてまた那智なち千日籠せんにちごもりと、諸山の荒行を踏んできた、その昔の遠藤武者えんどうむしゃ盛遠が成れの果てであった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
役行者は伊豆に流される迄は、大和が本拠で、葛城かつらぎ山で修法し、大峰おおみね入りを創始した。
山の今昔 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
「そちの行場ぎょうばは、大峰おおみね葛城かつらぎか、または羽黒か」
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)