とがむ)” の例文
今世の教育論者が古来の典経てんけいを徳育の用に供せんとするをとがむるには非ざれども、その経書の働を自然に任して正に今の公議輿論に適せしめ
徳育如何 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
かけ貴殿きでんには何人にていづれへ通り給ふや當時たうじ本堂は將軍しやうぐん若君わかぎみ天一坊樣の御座所ござしよと相成り我々晝夜相詰まかりありととがむれば浪人は拙者せつしやは當院の住職ぢうしよく天忠和尚の許へ相通る者なりと答ふ然ば暫時ざんじ此處に御休息ごきうそくあるべし其段そのだん拙者共より方丈はうぢやうへ申通じうかゞひし上にて御案内ごあんないせんといふに彼浪人も夫はもつともの事なりと自分じぶんも番所へ上れば番人は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
れまではただ暴れ次第に暴れさせて、唯衣食にはく気を付けてり、又子供ながらも卑劣な事をしたりいやしい言葉を真似たりすればこれとがむるのみ
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
今の少年は不遜ふそんなり軽躁けいそうなり、みだりに政治を談じて身の程を知らざる者なりとて、これをとがむる者あれども、かりにその所言にしたがいてこれを酔狂人とするも
学問の独立 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
然りといえども、以上枚挙するところは十五年来の実際に行われ、今日の法律においてこれを許し、今日の習慣においても大いにこれをとがむること能わざるものなり。
徳育如何 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)