候処そろところ)” の例文
「昨日は一刻のひまをぬすみ、東風子にトチメンボーの御馳走ごちそうを致さんと存じ候処そろところ生憎あいにく材料払底のめ其意を果さず、遺憾いかん千万に存候ぞんじそろ。……」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
看上みあぐるばかりの大熊手おほくまでかつぎて、れい革羽織かはばおり両国橋りやうごくばしの中央に差懸さしかゝ候処そろところ一葬儀いちさうぎ行列ぎやうれつ前方ぜんほうよりきたそろくるによしなくたちまちこれ河中かちう投棄なげすて、買直かいなほしだ/\と引返ひきかへそろ小生せうせい目撃致候もくげきいたしそろ
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
寒気かんき相加わり候処そろところ如何いかが御暮し被遊候あそばされそろや。不相変あいかわらず御丈夫の事と奉遥察候ようさつたてまつりそろ。私事も無事」
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)