乾山けんざん)” の例文
彼の作品に比すれば、その孫の光甫こうほおいの子光琳こうりんおよび乾山けんざんの立派な作もほとんど光を失うのである。いわゆる光琳派はすべて、茶道の表現である。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
なお個人作家としては仁清にんせい乾山けんざん木米もくべい等もっとも崇敬の的となり、好事家こうずか識者の間に重きをなしております。
近作鉢の会に一言 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
例えば著名な個人陶工として乾山けんざんを選ぶとする。もし彼の焼物からそこに描かれた絵画を取り去ったら、何が残るであろうか。絵画が彼の焼物を支える力である。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
乾山けんざんの皿はどっさりあったのだが、みんな、法印にかされて、もってってしまわれやがった。」
それをいやが上にもアコギな掘出しで、三円五十銭で乾山けんざんの皿を買おうなんぞという図〻ずうずうしい料簡を腹の底に持っていたとて、何の、乾也けんやだって手に入る訳はありはしない。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
このたびは日本の元禄時代の尾形光琳こうりんと尾形乾山けんざんと二人の仕事に一ばん眼をみはりました。
トカトントン (新字新仮名) / 太宰治(著)
初期の浮世絵師が日永ひながにまかせて丹青の筆をこめたような、お国歌舞伎かぶきの図を描いた二枚折りの屏風が立て廻されてあって、床には、細仕立ほそじたて乾山けんざんの水墨物と香炉には冷ややかな薫烟くんえん
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老いた者も若い者も彼らの繰り返しと汗とによって、優れた画工となったのである。読者よ、あの卓越した乾山けんざんすらも、彼らほどには自由に描いてはいないのである。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
今日まで絵附のものと云えば、あるいは仁清にんせいとか、乾山けんざんとかを好んで歴史に語る。そうしてこれらの行灯皿に至っては語る者が誰一人ない。だが両者の間にそれほどの差違があろうか。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)