九五きゅうご)” の例文
(陛下には、まだ九五きゅうごの御位について日も浅いのに、ふたたびここで大戦を起すなどは、決して、宗廟そうびょうの政を重んずるゆえんでない)
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
八十歳の高齢で虎に食われたまいしと記憶する、さしも九五きゅうごの位にきたもうべかりし御方の虎腹に葬られたまいしは誠に畏れ多き事だが
燕王えんおう今は燕王にあらず、げんとして九五きゅうごくらいに在り、明年をもって改めて永楽えいらく元年とさんとす。しこうして建文皇帝は如何いかん
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
なおさらなこと、天皇御自身にも九五きゅうごそんを、自由のない不幸な地位などとは、ゆめ御思惟ごしいするはずもあるまい。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
世に乱なかれと、民のために祈られてこそみかどですのに、九五きゅうごそんをもって、若公卿ばらの陰謀をよみしあそばすなどは、世の末、思いやられてなりません。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わが家は、四世三公を経、百姓に帰服され、予が代にいたって、今や衆望沸き、力備わり、天応命順てんおうめいじゅんの理に促され、今日、九五きゅうごの位に即くこととなった。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれど、明日は、九五きゅうごの位をうける身かと思うと、心気たかぶって、容易に眠りつけない様子だった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
して、九五きゅうご御位みくらいにのぼせ、子孫にわたって、伝国の大統を指命せられた祥瑞しょうずいと思われます。……はやく本国へお帰りあって、遠大の計をめぐらすべきではありませんか
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おうけあって、九五きゅうごの位にお昇りあるよう。今日の勅使は、その御内詔をお伝えに参ったわけです
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
九五きゅうごそんたるお身をもって、余りにも、軽々しい」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)