“ベル”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:べる
語句割合
35.2%
呼鈴30.4%
電鈴19.2%
号鈴4.8%
3.2%
警鈴2.4%
1.6%
号鐘0.8%
戸鈴0.8%
振鈴0.8%
鳴鐘0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「これは……」と龍介君が云った時電話のベルが突然激しくなり出した。博士が受話器をとった。電話は山川少将宅からだった。
危し‼ 潜水艦の秘密 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
それでもやつと呼鈴ベルを押すと、明りのさしてゐる障子が開いて、束髪そくはつつた女中が一人ひとり、すぐに格子戸の掛け金をはづしてくれる。
漱石山房の秋 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
これで、御納得がいったでしょう? 今日まで邸中の電鈴ベルが鳴って、騒ぎ立てたなぞということは、ただの一度もないのです
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
玄関の格子こうしを開けた時、お延の頭に平生からあったこんな考えを一度によみがえらさせるべく号鈴ベルがはげしく鳴った。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
母は驚き、途方にれたる折しも、かどくるまとどまりて、格子のベルの鳴るは夫の帰来かへりか、次手ついで悪しと胸をとどろかして、直道の肩を揺りうごかしつつ、声を潜めて口早に
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
すると俄かにリンリンリンリンと、けたたましい警鈴ベルの響! 顔をあげると、大きな赤色灯が生物のように激しい息をしていた。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ロオタリイ倶楽部クラブでの、ベルばかり鳴らしてはそのたびに立ったりすわったりする学者ばかりのしかつめらしい招待会から帰ってくると、在留邦人ほうじんの歓送会が、夕方から都ホテルであるとのことで
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
号鐘ベルつて、講師は教室からて行つた。三四郎は印気いんきの着いた洋筆ペンつて、帳面ノートせ様とした。すると隣りにゐた与次郎が声を掛けた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
御茶のみづで電車をりて、すぐくるまに乗つた。いつもの三四郎に似合はぬ所作しよさである。威勢よく赤門を引き込ませた時、法文科の号鐘ベルが鳴り出した。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
折からはげしき戸鈴ベルの響がして何者か門口かどぐちをあける。話し手ははたと話をやめる。残るはちょと居ずまいを直す。誰も這入はいって来た気色けしきはない。「隣だ」とひげなしが云う。
一夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
夜行列車の振鈴ベルは鳴り渡つて
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
これを防ぐためこの頃行われ始めた方法は、海岸ならばそこに繋留した灯台船の底に鳴鐘ベルを附け、不断ふだんこれを鳴らしている。船の方では船底に仕掛けた微音機マイクロフォンでこの音を聞くという細工である。
話の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)