“号鐘”のいろいろな読み方と例文
旧字:號鐘
読み方割合
ベル50.0%
かね50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
号鐘ベルつて、講師は教室からて行つた。三四郎は印気いんきの着いた洋筆ペンつて、帳面ノートせ様とした。すると隣りにゐた与次郎が声を掛けた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
御茶のみづで電車をりて、すぐくるまに乗つた。いつもの三四郎に似合はぬ所作しよさである。威勢よく赤門を引き込ませた時、法文科の号鐘ベルが鳴り出した。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
今も申上げようかと思ひあんしたども、お話中に容喙くちだしするのも悪いと思つて、黙つてあんしたが、先刻さつきその、号鐘かねが鳴つて今始業式が始まるといふ時、お出しになりあんしてなす。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
健は卓の上から延び上つて、其処に垂れて居るなは続様つづけざまに強く引いた。壁の彼方かなたでは勇しく号鐘かねが鳴り出す。今か/\とそれを待ちあぐんでゐた生徒等は、一しきり春のうしほの湧く様に騒いだ。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)