“ゆげ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ユゲ
語句割合
湯気66.9%
湯氣11.0%
弓削10.2%
蒸気3.1%
水蒸氣1.6%
蒸氣1.6%
湯烟1.6%
遊戯1.6%
水蒸気0.8%
湯煙0.8%
遊戲0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
、いったところであるから、みちまよ心配しんぱいもなかった。二のすずめは、やまえて、湯気ゆげのぼ温泉おんせんへついたのでした。
温泉へ出かけたすずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
いま餘波なごりさへもないそのこひあぢつけうために! そなた溜息ためいきはまだ大空おほぞら湯氣ゆげ立昇たちのぼり、そなた先頃さきごろ呻吟聲うなりごゑはまだこのおいみゝってゐる。
そこで倫陀院長が気を利かしてタッタ一人居る助手の弓削ゆげという医学士に命じてロスコー家の様子を見に遣ると、この弓削医学士というのが又
S岬西洋婦人絞殺事件 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ただ己の眼がだんだんあつい血の蒸気ゆげにかすんで来て、しまいには苔の上から落ちていた血の滴も聞えずに、じかに打ち合う石の音ばかりするようになったのだから
道成寺(一幕劇) (新字新仮名) / 郡虎彦(著)
インキ瓶を火鉢に縁に、載せて、瓶の口から水蒸氣ゆげが立つ位にして置いても、ペンにふくんだインキが半分もなくならぬうちに凍つて了ふ、葉書一枚書くにも、それは/\億劫なものであつた。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
足下きみ同情どうじゃう多過おほすぎるわし悲痛かなしみに、たゞ悲痛かなしみへるばかり。こひ溜息ためいき蒸氣ゆげけむりげきしてはうち火花ひばならし、きうしてはなみだあめもっ大海おほうみ水量みかさをもす。
電燈のない時代は勿論、その設備が出来てからでも、地方の電燈は電力が十分でないと見えて、夜の風呂場などは濛々もうもうたる湯烟ゆげにとざされて、人の顔さえもよく見えないくらいである。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
風韻とか雅致とか、これは工藝が齎らす美徳である。人々はいかにこれらの境に入って、心を沈め行いを洗い得たであろう。しばしば人はその美に遊ぶ。かかる境をこそ「遊戯ゆげ」とは云うのであろう。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
インキ瓶を火鉢に縁に載せて、瓶の口から水蒸気ゆげが立つ位にして置いても、ペンに含んだインキが半分もなくならぬうちに凍つて了ふ、葉書一枚書くにも、それは/\億劫おくくふなものであつた。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
その頃の湯風呂には、旧式の石榴口ざくろぐちと云うものがあって、夜などは湯煙ゆげ濛々もうもうとして内は真っ暗。しかもその風呂が高く出来ているので、男女ともに中途の階段を登ってはいる。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
燃ゆる死滅の灰を揚ぐ、ああ、わりなげの悲苦ひく遊戲ゆげ
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)