“とつとつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
咄々40.7%
訥々35.2%
吶々16.7%
吃々1.9%
咄〻1.9%
咄咄1.9%
突兀1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのかぞへざりし奇遇とゆめみざりし差別しやべつとは、咄々とつとつ、相携へて二人の身上しんじようせまれるなり。女気をんなぎもろき涙ははや宮の目に湿うるほひぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その訥々とつとつとした口調で、どうにか呑み込ませたのは、今日の昼頃から起った、笛の春日藤左衛門一家に起った出来事の顛末てんまつです。
吶々とつとつとして、しかも沈着に、純真に、縷々るるこの意味の数千言を語ったのが、轟々ごうごうたる汽車のうちに、あたかも雷鳴をしのぐ、深刻なる独白のごとく私たちの耳に響いた。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
偏執果断の大主大膳亮、吃々とつとつとしてこういっただけである。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
訳も分らぬくせに金銭ずくで貴い物を得ようとする耳食者流じしょくしゃりゅうの目をまわさせていたもので、その製作は款紋色沢かんもんしきたく、すべて咄〻とつとつとして真にせまったものであったのである。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
然レドモ人トリ気ヲとうとビ、厳峻げんしゅんヲ以テ自ラはげまス。すこぶ偏窄へんさくニシテ少シク意ニ愜カザルヤすなわ咄咄とつとつトシテ慢罵まんばス。多ク人ノにくム所トナル。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
四面の峻岳しゆんがく皆頭をあらはし、昨来わたきたれる利根の水流は蜿蜒えん/\として幽谷間に白練をけり、白練の尽くる所は乃ち大利根岳となり突兀とつとつ天にてうす、其壮絶ほとんど言語につくすべからず
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)