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でんしやどほり
川沿の
公園の
真暗な
入口あたりから
吾妻橋の
橋だもと。
電車通でありながら
早くから
店の
戸を
閉める
鼻緒屋の
立ちつゞく
軒下。
やがて
三ノ
輪の
電車通に
家一
軒借ると、
男の
国元から一
度嫁に
行つたことのある
出戻りの
妹に、
人好きのよくない
気むづかしい
母親とが
出て
来たゝめ
毎夜泊りの
客を
連込む
本所の
河岸の
宿屋を
出て、
電車通でその
客とわかれ、
道子は
三ノ
輪の
裏通りにあるアパートへ
帰つて
来ると、
窓の
下は
隣の
寺の
墓地になつてゐる
木の
間から