“こいし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
62.7%
小石28.4%
小磧2.0%
1.0%
小礫1.0%
恋知1.0%
拳石1.0%
是喃1.0%
砂礫1.0%
磧礫1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
如何に愛し合って居る男女でも、刹那せつな々々の気分の動きがその純情に不純のこいしを混じえぬと、どうして云い切ることが出来ましょう。
阿難と呪術師の娘 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
したには小石こいしが一めん敷詰しきづめてある。天井てんぜうたかさは中央部ちうわうぶは五しやくずんあるが。蒲鉾式かまぼこしきまるつてるので、四すみはそれより自然しぜんひくい。
その川の中には珠のような小磧こいしやら銀のような砂でできて居る美しいのあったれば、長者は興に乗じて一尋ひとひろばかりの流れを無造作に飛び越え、あなたこなたを見廻せば
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
磧は黒く醜くなりすなは黄ばめる普通つねの沙となれり、見よ見よいかにと告げ知らするに二人は驚き、まなこみはりて見れば全く父の言葉に少しもたがわぬすなこいし
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
見よ見よわが足下あしもとのこのこいしは一々蓮華れんげ形状かたちをなし居る世に珍しき磧なり、わが眼の前のこの砂は一々五金の光をもてる比類たぐいまれなる砂なるぞと説き示せば
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
王受け取ってこれを焼きその勇者に武士号を与え金また銀に金をかぶせたる環中かんなかくうにして小礫こいしまた種子を入れたるを賜う。
よる白々しらじらけそめて、上野うえのもりこいからすが、まだようやゆめからめたかめない時分じぶんはやくも感応寺かんのうじ中門前町なかもんぜんちょうは、参詣さんけいかくれての、恋知こいしおとこ雪駄せったおとにぎわいそめるが、十一けん水茶屋みずちゃや
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
が、嶮峻けんしゅん隘路あいろに立つものは拳石こいしにだもつまずいて直ぐ千仭せんじんの底にちる。人気が落ちて下り坂となった時だから、責むるに足りないいささかの過失でも取返しの付かない意外な致命傷となったのであろう。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
是喃こいし。)と呼んで、出した盆を、振向いてお取りでした。私や、思わずその手にすがって、涙がひとりでに出ましたえ。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
雲の峯の天にいかめしくて、磧礫こいし火炎ほのほを噴くかと見ゆる夏の日、よろづの草なども弱りしをるゝ折柄、此花の紫雲行きまどひ蜀錦碎け散れるが如くに咲き誇りたる、梅桜とはまた異るおもむきあり。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)