“かぐ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カグ
語句割合
54.5%
家具11.4%
下愚6.8%
6.8%
4.5%
香具4.5%
2.3%
2.3%
2.3%
2.3%
2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ロッテ・レーマンの「五月の夜」(コロムビアJ五四八三)と「我が恋は新緑の如く」(ビクターJE三三)などは新緑の如くかぐわしい演奏だ。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
とうとうおしまいに、いっぱい家具かぐのつまった、大きなへやに来ました。そのなかの道具どうぐやおきものは、このやしきのうちでも、一等りっぱなものでした。
青ひげ (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
「刑事は刑事だ。探偵は探偵だ。せんだってはせんだってで今日は今日だ。自説が変らないのは発達しない証拠だ。下愚かぐは移らずと云うのは君の事だ。……」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私はよく、彼女のかぐわしい息の匂をおもい出して、虚空こくうに向って口を開け、はッとその辺の空気を吸いました。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
かぐわしい気品と香気とを漂わせているのであった。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
其右に高くつゝ立つてゐる深緑は畝傍山。更に遠く日を受けてきらつく池は、埴安はにやすの水ではないか。其側に平たい背を見せたのは、聞えた香具かぐ山なのだらう。旅の女は、山々の姿を辿つてゐる。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
またおも釣船つりぶね海人あまの子を、巖穴いはあなかぐろふ蟹を
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
いと徐ろに日のひかりかぐろひてゆくしめやかさ。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
「なじょしてかぐして置ぐあんす。」
葡萄水 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
畑の中央部につた可愛らしい小さな家も無論取こぼたれた。それを取囲んでゐたかぐはしいにほひを放つ多くの草花は無造作に引抜かれて、母家おもやの庭の隅つこへ移し植ゑられた。
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
また思ふ釣船の海人あまの子を、巌穴いはあなかぐろふかに
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
真夏ではあったが夜は涼しく、それにかぐわしい磯の香はするし、この辺に多く住んでいる鵜が、なまめかしく啼いたり羽搏きをしたりして、何んとも云えない風情であった。
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)