かぐ)” の例文
落花の季節で櫻が段々のすみずみに吹き寄せられ、波打際の夜明けの景色が其處に見られた。そよかぜはかぐはしく暖かさは頬の内からこもつた。
はるあはれ (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
私はよく、彼女のかぐわしい息の匂をおもい出して、虚空こくうに向って口を開け、はッとその辺の空気を吸いました。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
甘くかぐはしき香も悪しからず、花の黄金色なせるも地にこぼれて後も見ておもむき無きならず。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)