“かいくぐ”の漢字の書き方と例文
語句割合
掻潜100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見る見るあかくちなわは、その燃ゆる色に黄金のうろこの絞を立てて、菫の花を掻潜かいくぐった尾に、主税の手首を巻きながら、かしらに婦人のの下をくれない見せてんでいた。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
中に一人いちにん真先まっさきかけて、壁の穴をふさいで居たのが、此の時、掻潜かいくぐるやうにして、おそろしい顔を出した、めんおおきさ、はりなかばおおうて、血のすじ走るきんまなこにハタと桂木をめつけた。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
婦人おんな上框あがりがまちに立ちたるまま、かいなを延べたる半身、ななめに狭き沓脱くつぬぎの上におおわれかかれる。その袖の下を掻潜かいくぐりて、摺抜すりぬけつつ、池あるかたに走りくをはたはたと追いかけて、うしろよりいだとど
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)