“あわれみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
20.0%
憐愍20.0%
憐憫20.0%
哀憐13.3%
矜恤13.3%
3.3%
3.3%
憫憐3.3%
相憐3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女はすでにおのって、三度彼に手向おうとしていた。が、彼が剣を折ったのを見ると、すぐに斧を投げ捨てて、彼のあわれみうったうべく、床の上にひれ伏してしまった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
お色のっていた欄干から、二間ほど離れた一所ひとところに、五、六人の乞食こじきたかっていた。往来の人の袖に縋り、憐愍あわれみを乞うやからであった。
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
これ以上、われ等はこの問題もんだいにかかり合っているべき勇気をたない。われ等の使命は、地上の人間の憐憫あわれみを乞うべく、あまりにも重大である。
「御免なすって、」と盗むように哀憐あわれみを乞う目づかいをする。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
◯ヤコブ書第五章十一節にいわく「なんじらかつてヨブの忍びを聞けり、主いかに彼にし給いしかその終末おわりを見よ、すなわち主は慈悲深くかつ矜恤あわれみある者なり」
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
全軍殆んど覆没し、陣代の高森上野こうつけ婿むこしゅうとよしみを以てあわれみを敵の桑折(福島附近の桑折こおりにあらず、志田郡鳴瀬川附近)
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あわれみの声である。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
以前の美くしかった時分、ほんとうに『碧眼あおめ』だった時分には、見る人を惚々ほれぼれとさせたものだが、もうすっかり変ってしまった。今は単に憫憐あわれみの対象にしか過ぎないのだ。
碧眼 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
いて形容詞のなかへ入れられないような人間同志が無上むじょうの信頼と哀楽あいらく相憐あわれみとを共にして生きてる。——