“哀憐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あいれん65.5%
あはれみ13.8%
あわれみ13.8%
あいりん3.4%
あわれ3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
例えば可憐かれんな小動物がいじめられているのを見て、哀憐あいれんの情を催し、感傷的な態度で見ている人は、その態度に於て主観的だと言われる。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
丑松は仙太を背後うしろから抱〆だきしめて、誰が見ようと笑はうと其様そんなことに頓着なく、自然おのづ外部そとに表れる深い哀憐あはれみ情緒こゝろを寄せたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
深い哀憐あわれみのこころが岸本の胸にいて来た。そのこころは節子を救おうとするばかりでなく、また彼自身をも救おうとするように湧いて来た。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その心、夜に似て暗憺あんたん、いひしらず汚れにたれど、また一種の美、たとへば、濁江の底なる眼、哀憐あいりん悔恨の凄光せいこうを放つが如きもの無きにしもあらず。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
その余裕のなき心の持ち方は笑止でもあり、哀憐あわれでもある。理知の根源であり、愛の源である神を信じてみよ。その信仰から心の余裕も力もき出でる。理知さえ神から出ているのだ。