“あぜみち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
畦道64.4%
畔道15.8%
畦路5.9%
畔路4.0%
畝路3.0%
畷道2.0%
篆畦2.0%
畝道1.0%
畦径1.0%
畦徑1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さればそれより以前には、浅草から吉原へ行く道は馬道のほかは、皆田間でんかん畦道あぜみちであった事が、地図を見るに及ばずして推察せられる。
里の今昔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
便りに思う爺さんだって、旅他国で畔道あぜみちの一面識。自分が望んでではありますが、家と云えば、この畳を敷いた——八幡不知やわたしらず
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その蘆の根を、折れた葉が網に組み合せた、裏づたいの畦路あぜみちへ入ろうと思って、やがてみ出す、とまたきりりりりと鳴いた。
海の使者 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もとより慣れぬ徒歩かちなれば、あまたたび或は里の子が落穗おちぼ拾はん畔路あぜみちにさすらひ、或は露に伏すうづらとこ草村くさむら立迷たちまようて、絲より細き蟲のに、覺束なき行末をかこてども、問ふに聲なき影ばかり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
うら田圃たんぼを、やますそから、あかざつゑいて、畝路あぜみちづたひに、わたし心細こゝろぼそそらくもります、離座敷はなれざしきへ、のそ/\とはひつてました、ひげしろい、あかがほの、たかい、茶色ちやいろ被布ひふ
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
朝から熱心に心理を読んでいた私は、たまらなくんびりした心地になって、羽織を脱ぎ捨てて飛び出した。O市西郊の畷道あぜみち、測量師の一隊が赤、白の旗を立てて距離を測ってるのが妙に長閑のどかである。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
余与よと京水と同行どうかう十人小千谷をはなれて西の方●新保しんほ村●薮川新田やぶかはしんでんなどいふ村々を一宮いちのみやといふ村にいたる、山間やまあひ篆畦あぜみち曲節まがり/\こゝいた行程みちのり一里半ばかりなり。
少し上流の方へつたわって行くと、向う左へ切れた、畝道あぜみちの出口へ、おなじものが、ふらふらと歩行あるいて来て、三個みッつになった。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
秋の収穫が目前に迫った某日あるひのこと、位牌田の隣の田を作っていた農夫が、ひるになって弁当をうつもりで、そこの畦径あぜみちへ腰をおろして、何の気なしに位牌田の方へ眼をやったところで
位牌田 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
明神下の畦徑あぜみちを提籃さげた敏雄の手をいて歩いてゐると、お隣の金さん夫婦がよち/\歩む子供を中にして川邊かはべりの往還を通つてゐるのが見えました。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)