流言蜚語りゅうげんひご
八月二十四日の真夜中、当分杜絶になるという最後の連絡船に乗って本州へ渡った。 船は樺太からの引揚民で一杯であった。人々は折り重って冷い甲板上にねていた。それからそれにも増して混んでいる東北線で一昼夜揉み潰されて、やっと東京へ着いた。 東京は …
題名が同じ作品
流言蜚語 (新字新仮名)寺田寅彦 (著)