鼈甲細工屋べっこうざいくやのになっていたが、黒い三巾みすじの垂れ暖簾のれんいりやまずみの白ぬきのれんが、鼈甲屋とは思わせない入口だった。もっともそこは青柳という会席料理おちゃやだったのだそうで、炭勘はそのうしろから前へ進入したのだ。
旧聞日本橋:02 町の構成 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)