年は、お喜代の中の姉のお里ぐらいで、三ツぐらい上であろう。田之助の方から首ッたけになったといわれるくらいな容貌きりょうで、鳥文斎栄之ちょうぶんさいえいしえがく女のような気品があってッそりしていた。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)