飯豊いひで)” の例文
旧字:飯豐
九七 飯豊いひでの菊池松之丞といふ人傷寒を病み、たびたび息を引きつめし時、自分は田圃に出でて菩提寺なるキセイ院へ急ぎ行かんとす。
遠野物語 (新字旧仮名) / 柳田国男(著)
ある年の秋飯豊いひで村の者ども萱を苅るとて、岩穴の中より狼の子三匹を見出し、その二つを殺し一つを持ち帰りしに、その日より狼の飯豊衆いひでしの馬を襲ふことやまず。
遠野物語 (新字旧仮名) / 柳田国男(著)
山口の辷石はねいしたにえといふ人の家なるは掛軸なり。田圃のうちにいませるはまた木像なり。飯豊いひでの大同にもオシラサマはなけれどオクナイサマのみはいませりといふ。
遠野物語 (新字旧仮名) / 柳田国男(著)