それこそしんとんとろりと油壺から抜け出て来たような容貌自慢の優男やさおとこが、風流紅彩色姿絵ふうりゅうべにいろすがたえそのままの衣裳をらして、ぞろりぞろりと町を練り歩いたもので、決して五尺の男子が
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)