閬中ろうちゅう)” の例文
蜀の大軍は、すでに南鄭、閬中ろうちゅう、褒州の地方にまで浸透して来て、宣撫や治安にまで取りかかり、遺漏のない完勝ぶりを示していた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「只今、葭萌関から急使があった。一刻も早く誰か閬中ろうちゅうに馳せ、張飛にこの旨を告げ知らせ、張飛の軍を葭萌関に回らせては如何」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
張飛はその頃、閬中ろうちゅう(四川省閬中)にいたが、車騎将軍領司隷校尉りょうしれいこういに叙封され、また閬州ろうしゅう一円のぼくを兼任すべしとの恩命に接したのであった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「直ちに、そちは軍備して閬中ろうちゅうから南へ出でよ。朕、また大軍をひきいて、江州に出で、汝と合し、呉を伐つであろう」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ついては、おまえ達が奉仕して、三日のあいだにそれを調えろ。四日の早天には閬中ろうちゅうを出発するから、違背なくいたせよ
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
閬中ろうちゅうにはおそらく良い酒はありますまい。成都の美酒をあつめ、五十たるほどを、車にのせて、早速送り届け、張飛に飲ませたらばよろしかろうと存じまする」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)