遠雷鳴とおがみなり)” の例文
俄に、晩のような暗さを見てのせいか、昼のきりぎりすが啾々しゅうしゅうと啼き立ち、どこかでは遠雷鳴とおがみなりが、いよいよ空の形相を、具行の胸そのもののようにしていた。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)