道灌山だうくわんやま)” の例文
「あ、一寸待つた八。それからもう一つ、あの日道灌山だうくわんやまへ、大徳屋徳兵衞は夏羽織なつばおりを着て來なかつたか、それを訊いて來てくれ」
「不動樣で思ひ出したが、今日は道灌山だうくわんやまに東海坊が火伏せのぎやうをする日ですよ。大變な評判だ、行つて見ませんか」
それは谷中と言つても道灌山だうくわんやまに近く、寺といふよりは無住の庵室で、木立の中に置忘れたまゝ、近所の百姓が物置に使つてゐるやうな荒れ果てた建物でした。