蹣跚よろけ)” の例文
次の停留場に来ると満員の上へ更に二三人加わって、今度は単独に蹣跚よろける余地さえ無くなって了った。と同時に、これが為彼女は方向が自然と変って彼に背を向ける事になった。
乗合自動車 (新字新仮名) / 川田功(著)
しかもこの結婚は父母が勸めたといふよりも自分の方が寧ろ強請せがんだ形にも幾らかなつてゐたので、誰にぶつかつて行くすべもなく自分が自身の手負ひで蹣跚よろけなければならなかつた。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)