調子トオン)” の例文
私が十年前に試みたやうな調子トオンをさへ含羞をもつて今もなほ、小娘の伏眼がちなたどたどしさで歌はれてゐるのを見ても、まだ私の心には多分な抒情の萌しがあると言へるのである。
忘春詩集:02 忘春詩集 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)