読本リードル)” の例文
旧字:讀本
打ち笑いつつ中将は立ってテーブルの上よりふるきローヤルの第三読本リードルを取りて、片唾かたずをのみつつ、薩音さつおんまじりの怪しき英語を読み始めぬ。静聴する婦人——夫人はしきりに発音の誤りを正しおる。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
とナショナルの読本リードルの発音が何うしても満足に出来ぬので、二人はしたゝか苦しんで居たが、ある日、教師から指名されて、「ズー、ケット、ラン」と読方を初めると……、生徒は一同どつと笑つた。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)