覆盆子くさいちご)” の例文
此日は朝より道々覆盆子くさいちご桑の実に腹を肥したれば昼餉もせず。やう/\五六里を行きて須原に宿る。名物なればと強ひられて花漬二箱を購ふ。
かけはしの記 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
野の狭うとがりて次第々々にはひる山路けはしく弱足にのぼる馬場嶺、さても苦しやと休む足もとに誰がうゑしか珊瑚なす覆盆子くさいちご、旅人も取らねばやこぼるゝばかりなり。
かけはしの記 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)