私は五条西洞院辺にしのとうゐんへんにゐる仏ぢやが、つね/″\評判のお前様の読経を聴きたい/\と思つてゐたが、平素ふだん梵天帝釈ぼんてんたいしやくなどのお入来いでがあるので遠慮してゐた。