藤納戸色ふじなんどいろ)” の例文
その気高い美しさは、彼女の頭上に咲き乱れている八重桜の、絢爛けんらんたる美しさをも奪っていた。目もむるような藤納戸色ふじなんどいろの着物の胸のあたりには、五色の色糸のかすみ模様のぬいが鮮かだった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)