天平勝宝五年秋に至って、入唐大使にっとうたいし藤原清河ふじわらのきよかわ、副使大伴胡麿おおとものこまろ、吉備真備などが、揚子江口なる揚州府の延光寺に和尚を尋ねて使節の船に便乗せむことを乞うた。和尚は喜んで承諾した。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)