薫香かおり)” の例文
暇さえあれば、留守を狙ってヘミングウェー嬢の部屋へ忍び込み、部屋に残っている薫香かおりに鼻をうごめかしたものです。
一週一夜物語 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
音もなく、薫香かおりもなく、まして形はなく、ただ感じ得る者のみが感じる「気」なのである。彼はその「気」の霊感の前には飽くまでも謙譲であり得た。
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)