蒼白まつさを)” の例文
夫と妻とは、蒼白まつさをになりながら、黙々として相対してゐた。信一郎は、ポケットに入れてある時計が、何か魔の符でもあるやうに、気味悪く感ぜられ始めた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
彼の蒼白まつさをだつたおもては微弱ながら、俄に興奮の色を示したやうであつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
信一郎は、蒼白まつさをになりながら、懸命に冷静な態度を失ふまいとした。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)