茯苓ぶくりやう)” の例文
で、事の仔細を訊いてみると、蘇生つた二人は、袖のなかから茯苓ぶくりやうを取り出して以前の朋輩に与へたのみで、別に何も語らうとしなかつた。
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
丁度人参や茯苓ぶくりやうの口当りが甘いのに出会つたやうに、また格調の激越なのを目にすると、まるではじかみや肉桂の辛烈舌を刺すやうなのを味はつたやうに、どちらも内臓を癒すにききめが少くない。
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)