三男の祝彪しゅくひょうもまた、ただ敵の怒濤の中を泳ぎ暴れただけで、宋江の姿も見ず、むなしくかくの内へひきあげていた。——翌日も、また次の日も、変りないせつ返しつの膠着万遍こうちゃくまんべんといった戦況だった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)