清洲きよすの城は、川向うの彼方に小さく見えていた。隊の中には、この尾張四郡の領主、織田備後守信秀おだびんごのかみのぶひでの弟にあたる織田与三郎よさぶろうがいた。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)