筑波山つくば)” の例文
豊吉のいった通り、浅草寺の入相の鐘が秋の雲に高くひびいて、紫という筑波山つくばの姿も、暮れかかった川上の遠い空に、薄黒く沈んでみえた。堤下どてしたの田圃には秋の蛙が枯れがれに鳴いていた。
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)